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トレーニングと休息

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   寒い季節になってきました。。。  この時期、日本ではオフシーズンで各スポーツ競技、体力作りを行うチームも多いのではなのでしょうか。 朝から晩まで負荷の高いトレーニングを積んでシーズン入りまでにレベルアップした体を手に入れようとします。 しかし、休むのも練習。 負荷と休息を上手く兼ね合わせてこそ体は強くなってゆきます。そこで今回はこのバランスを考えてゆきます。  一般的に『超回復理論』というものがスポーツ現場では浸透しています。強く負荷をかけて、そのあと休息をすると以前より強くなるというものです。しかし、私は『フィットネスー疲労理論』という考え方がより好んで使います。 詳細は 「ピーキングのためのテーパリング」 (NAP社 著:河森 直紀) をご覧いただけると知識が深まります。  『超回復理論』と『フィットネスー疲労理論』考え方は似ておりますが、より複雑であります。 「疲労」という面だけでなく、「トレーニング効果」という側面も考えます。 疲れが取れただけではレベルアップしたとは言い切れません。トレーニングも継続してく必要があります。休むだけでは体力も技術も少しずつ落ちてします。スキルが落ちていかないよう、なおかつ疲労を溜めないように調整してゆくことが必要です。  目標の大会から逆算してゆく計画が大切です。 また、人の身体は非常に複雑で、体力要素の中には持久力、最大筋力、スキル、コーディネーションなど様々な要素があります。これらも組み合わせてゆくことも必要になってきます。 考えれば考えるほど様々な要素が出てきますが、まずはこの「フィットネスー疲労」の基本を考えて、一つずつ要素を足してゆければよいでしょう。 コンディションと一言で言っても非常に奥深いです。また、数値化し比較することもなかなか難しいものです。  まずは具体的に目標の時期にどのような身体、どのような動きをしたいのか、明確化すると計画が立てやすくなります。

脳震盪(のうしんとう)

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  わたくしは一昔前、ケガの痛みを我慢してプレーすることは、己の精神が肉体を超越したように見え、美徳としていた時もありました。(テーピングをぐるぐる巻きにしてプレーをしているとカッコイイと思っていました...) しかし、近年は危険性を重要視して控えております。(反省してます...)  特に頭部のけがは命にかかわることがあります。頭部、頸部を痛めた場合は痛みにかかわらず、プレーを中断いたしましょう。 今回は脳震盪(のうしんとう)時の対応を考えていきます。 基本は専門医に診断を仰ぐことです。 迷ったら脳神経外科に対応している病院へ連絡いたしましょう。この辺りはコーチもしくはトレーナが、ケガなどの緊急時にすぐ対応できるマニュアルを(病院の連絡先を事前に調べておく)作成しておくとよいでしょう。 けがはいつでも突然起こります。その場であたふたするより、前もって用意しておき対応すると、ケガをしたプレーヤーも安心します。ショック反応も意外と怖いものです。「病院へ連絡したから少し待ってろ」と言われるだけでも安心するものです。  脳震盪の現場判断ツールといたしましては CAT5 (concussion assessment tool 5th edition)が推奨されます。 サッカー国際連盟のFIFAやオリンピックのメディカル部門でも承認され使われております。(専門家はSCAT5) しかし、簡易的なのでこれだけで良し悪しを判断しないでください。 まず、頭部にダメージがあった場合、直接的であれ間接的(頭部へ伝達される衝撃)であれ、場合によっては命へかかわるような重大な損傷を負うことになります。 下記に簡単で当たり前のことかと思いますが、ポイントをまとめてみました ポイント ・脳震盪が疑われたら直ちにプレーを中止する。脳震盪と診断されなくとも当日はプレーさせない。 ・脳震盪が疑われたら早急に医療機関(脳神経外科)へ受診する。 ・脳震盪を疑われたら医師の許可が出るまで飲酒、運転は禁止。薬の服用も相談してください。 ・症状は時間とともに変化いたします。最初は無症状、軽傷でも時間とともに重症化することがあります。繰り返し観察が必要です。 ・CAT5だけで脳震盪を判断せず、専門家に受診しましょう。 現場での留意点 ・救命救急の訓練経験がない人は選手をむやみに動かしてはいけない。ヘルメット...

食事・栄養(3)

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⑦脂質は悪くない  脂質は健康にとってとても大事なものです。効果といたしまして ・細胞膜の構成 ・エネルギー源(長時間活用できる) ・身体の水分を保つ ・血糖値を一定に保つ ・抗酸化作用   などなど 詳しくは述べませんが適量を保つことにより必需品です。  脂肪も大きく分けて飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。不飽和脂肪酸を摂るように心がけましょう。ナッツ、サバ、サケ、オリーブオイルなどが代表食品です。 ⑧たんぱく質を知ろう  筋肉を作り、維持するたんぱく質。それだけでなく健康な血液細胞、生体維持に必要な酵素、免疫システムの強化などの効果があります。とはいえ十分な糖質からのカロリー供給があってこそ初めて筋肉に栄養が行き届きます。一般的に体重60㎏の人なら一日約80~120gの摂取目標になり、鶏肉、ツナ、サケなどに多く含まれてます。  粉末のプロテインなどで手軽に補給される方もが多くいられますが、計画を立てた食事だけでも十分補給することができます。私が指導している大学生でも、食事のみでたんぱく質を補給し、トレーニングをしております。そして身長180㎝・体重85㎏の体格(体脂肪8%)を維持している野球選手もいます。どうしても時間がない時などにはプロテインを使うなどの工夫をいたしましょう。 ⑨サプリメントを利用する  上段でも書きましたように、食事だけでも十分にトレーニングに対する栄養補給も摂取することができます。さらに、食材の中には複数の栄養素が含まれるので、一つの栄養素に特化しているサプリメントよりは合理的です。  ただ、生活の中ではどうしても時間に追われる場合があります。その時は不足分をサプリメント等で補いましょう。  サプリメントの中には過大広告のものも多くあります。飲むだけで身体に劇的な変化が出るものはほとんどあり得ません。あくまでも補助的にとの考えは常に頭の中に入れておく必要があります。ましてや高いレベルのアスリートであればドーピングに引っかかるものもあります。十分に気をつけましょう。 ⑩水分はたっぷり  水分は身体にとって必要不可欠なものです。身体の約60%は水分からなっています。これが2%減少(のどの渇きを感じるか、感じないかくらい)するだけでパフォーマンスは下がり、7%減少すると生命の危険を感じるくらいになってしまいます。一日に食事に使うものを含...

食事•栄養(2)

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 寒くなってまいりました・・・。家にいる時間が増えると、どうしても私は食べる機会も増えてきます。 引き続き食事・栄養について考えていきます。 ③間食は悪くない  間食は栄養補給と考えます。スナック菓子・ファストフードを食べ過ぎてしまうなど、メインの食事がおろそかになってしまう場合では悪影響となります。  しかし、内容と量によっては大いに必要です。何回かに分けて食事をするということは、常に火に薪を補充しているよなものであります。 人は常に活動しており、エネルギーを必要としています。特に糖は様々な場面でいつでも使われているので、少しずつ補充していくことはパフォーマンスの維持に役立ちます。  内容としては消化に少し時間がかかるものがよいでしょう。少しずつ体に吸収されていくことで、エネルギーが持続的に補われてゆきます。チョコレートなど急激に血糖値が上昇するものですと、体がインスリンを多量に出すため、今度は急激に下降して疲労感がでます。 おにぎりやサラダなどがよいでしょう。 ④少なく数多く  間食をこまめに摂ることにより、血糖値がある程度の数値で維持されます。このことにより、集中力を保つことができます。 脳の活動は糖を必要とするため、空腹では活動が鈍り、集中力が下がります。これでは活動に悪影響が出てきます。  また、スポーツをされている方などは体の中の糖が足りなくなると、筋肉を分解してエネルギー確保しようとします。そうなると、鍛えているはずの筋肉がついてきません。また、終了後もダメージから回復を図ろうと栄養を必要とします。運動前後には積極的に補食を取りましょう。  ダイエットなどでも定期的に消化に多少時間がかかる軽食を取り、体を動かしてください。そのことで体が動きやすくなり、筋肉がつくことで痩せやすい体を作っていきます。 ⑤タイミングを考える  「一日に複数回の軽食を取るのは難しい」と思われる方も多いと思います。 なので、前回記したように計画が大切になってきます。  事前に作り置きして小分けにしたり、買い置きをしたりしてカバンに忍ばせておけば、手短に摂取できるはずです。また、内容も計算して計画できます。  三度の食事で一日分を補おうとすると、だいたい多すぎてしまい、多い分は体に吸収されず体外に出ていくか、脂肪に置き換わってしまいます。車と同じで、計画をたてて定期的にエ...

食事・栄養(1)

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 食欲の秋。。。私は食事が大好きです。ついつい食べすぎてしまうものです。。。。。 この食事は毎日の生活維持だけでなく、ダイエットやスポーツにおいても大きな役割を果たします。摂り方によってはプラスにもマイナスにもなります。 そこで、食事について3回に分けて考えてゆきます。  ダイエットなどでなぜか誤った知識が流通しております。様々な栄養素はバランスよくとる必要があるため、大きく制限したり、必要以上に避けたりすることは長期的にみて体調を崩しかねません。炭水化物も脂肪も体を維持するのに必要量があります。摂りすぎ(偏り)はダメですが。 目的を達成するためのポイントは 計画を立てておくことが重要 です。計画があれば時には羽目を外して暴食するのもありです。 ポイントをいくつかに分けて考えてゆきます。 ①朝食は大切 ②昼食と夕食をセットで考えよう ③間食は悪くない ④少なく数多く ⑤タイミングを考える ⑥糖質(カーボ)を知ろう ⑦脂質は悪くない ⑧たんぱく質を知ろう ⑨サプリメントを利用する ⑩水分はたっぷり 大きく分けて上記のポイントがあります。では一つずつ簡単に説明してまいります。 ①朝食は大事  人は夜寝ているときに身体を修復するため、エネルギーを消費してます。夕食を食べていれば夜間のエネルギーは足りています。しかし、そのエネルギーが減っている状態で朝起きてから、何も補給せずに活動を始めたらよい状態で仕事や学校、生活を過ごすことはできません。ガソリンのない車を走らせるようなものです。 さらにスポーツをしているならば競技に影響が出ます。動きが悪くなるばかりか、エネルギーを補おうと筋肉から吸収を始めます。せっかくトレーニングをしても効果が期待できません。  朝食には炭水化物、タンパク質、良い脂肪、食物繊維などを摂ってほしいです。フルーツジュースでは※ グリセミック反応 が高すぎるため活動に影響がでる。固形物など消化に時間がかかるぐらいの方が少しずつエネルギー吸収(補給)され、長時間活動を維持することが可能になりやすいのです。 ※(一緒に食べた食物全体が時間とともに血糖値レベルに及ぼす累積効果。血糖が急激に上昇し、エネルギー供給が激しく変化する。そのため気分の変化にも影響を及ぼす。) ②昼食と夕食をセットで考えよう  ポイントは食物繊維が多く含まれた炭水化物やたんぱく質を...

柔軟性

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   体が柔らかいと良いことが多くありそう。。。 そんなことを多く聞かれますが、実際は不利益なこともあり得ます。 体の柔軟性について考えてゆきたいと思います。  柔軟性=関節の可動域があることは悪いことでないです。体の可動範囲大きければ様々なこと可能ですし、動きやすくなります。  しかし、動くときは体を支えるため硬さも必要です。特にスポーツの時は必要です。支え(軸)がないと強くパワーを発揮できません。 極端な例ですと小さいお子さんは体が柔らかいですが、歩行が上手ではありません。硬さ(軸、安定性)が少ない分、すぐに転倒してしまいます。 このようにリラックスの時は柔らかく、引き締めたときは硬くなる必要がありますし、これを瞬間で切り替える必要があります。 体の柔軟性が少ないのは大きく分けると ・結合組織(筋繊維、筋膜、関節包など) ・神経系          の問題が多くあります。 結合組織を柔らかくするためには日ごろの柔軟運動が必要です。ストレッチもそうですが、ラジオ体操など軽運動をして、体がいろいろな方向へ動かせることを日ごろから学習させておくことも大事です。  次は神経系。特にこちらが大切です。日ごろから決まった動きばかりしていると無意識のうちに ”そっちには体を動かしてはダメだ!” と脳から指令が出ます。痛みがあればなおさら。体を前屈しようにも、普段そっち方向は硬くして安定化しているから、動かしてはいけないと無意識に判断し筋は硬直します。 また、普段から誤った体の使い方をしていると、大きく体を動かそうとしてもスムーズには動きません。動きの質についてなかなか難しいので興味がある方は専門家に聞いてください。  ストレッチに関しては限界まで伸ばすよりかは、リラックスして少し伸びたなと感じる位置を保ちましょう。そして継続してゆくことで体と脳が学習してゆきます。 運動される方は、競技前にストレッチするだけより、動きをつけた柔軟を心がけましょう。柔らかさよりも動きやすさにポイントを置いてください。

電気治療器

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  接骨院などへに行くと、よく電気治療をいたしますよね。これってどんな効果があるの?と疑問を持つ方も多いでしょう。そこで患者さん自身も治療理由を知っていた方が納得できると思いますので、今回は簡単に説明してまいりましょう。  電気治療には何種類かあります。超音波、高周波、低周波、微弱電流、レーザーなどなど。主な治療の狙いといたしまして、 疼痛緩和 、 神経筋コントロール 、 創傷治療 が挙げられます。治療院のみならず、病院でも使われております。  電気治療器は幅が広いので、今回は我々治療院でも良く使われる 低周波治療器 に的を絞って話を進めてゆきます。  低周波を治療院で使う主な目的は疼痛緩和です。 電気刺激を送ることによって脳は痛みの刺激より電気の刺激を先に認知します。そうすることで痛みが減ったと錯覚します。すると痛みが軽くなる実感が得られてくるのです。また難しい言葉ですと内因性オピオイドという物質たちが放出され、これも疼痛軽減に役立ちます。簡単に言うと痛みを和らげる効果です。  次にどこへ電極を当てればよいか考えていきましょう。 大きく分けると筋肉系(表面に近い)の痛みなら患部周辺へ、関節などからくる(深部)痛みならデルマトームの神経領域へ設置いたします。この辺りは治療家のひとへ任せましょう。 デルマトーム   電気の強さはどうでしょうか。個人差がありますが、強いから効果が上がるわけでは無いようです。心地よく感じる、刺激を感じる、ぐらいから効果はあります。苦手な方は少し感じたぐらいでも大丈夫です。慣れてきたら変化をつけましょう。  時間はだいたい20~30分ぐらいが効果的です。それ以上かけても効果が上がらないようです。(何回かに分けてもよいです)最低でも10分がよいでしょう。  研究ではまだはっきりとした効果が認められていないものですが、どこの治療へ行っても設備が置かれています。きっと現場では効果が認められているのですね。個人的にも好んで使っていて、効果があるときも多いです。  上記に挙げたように、最近では様々な電気治療器が開発されています。体に副作用が少ない治療方法なので今後も積極的に活用していきたいです!