肉離れ
スポーツ中に起こるケガで、比較的発生頻度の高いものに肉離れがあります。
接触、転倒などはしていないが、急激に強い痛みを感じたと言って当院へいらっしゃいます。
今回は肉離れについて確認していきます。
【発生機序】
どんな時に多く肉離れを起こすのでしょうか。
様々原因がありますが、多くは伸張性収縮期の時に肉離れが発生します。
簡単に言うと、筋肉が伸ばされているときに力が入る状態です。
例えば、ダンベルを持って腕を鍛えている場合、下におろす時は筋肉は伸ばされています。しかし、ダンベルをゆっくり下すために力を発揮していて筋肉は収縮しています。
このタイミングで肉離れを起こしやすいのです。
肉離れは比較的、下肢に起こりやすいです。
これは走っている際、足が地面に着く瞬間のハムストリングや、ジャンプもしくは着地の際、下腿部が引き延ばされた瞬間などが危ないです。
“普段と変わりなく動いていたのに“
“それほど激しく動いてなかったけれども“
こんな場合でも発生します。
これは疲労が溜まっていて患部の筋緊張があったことや、動作の不慣れ、柔軟性の低下、筋力の不均衡・不足、ウォーミングアップ不足、受傷歴、などが原因に挙げられます。
【受傷程度の鑑別】
一般的に評価する基準としては
・健側と比べてどれだけ痛みなく伸ばせるか(ストレッチできるか)
・圧痛はどれだけあるか
・腫れや内出血はあるのか
・抵抗に対してどれだけ力を出せるのか
他に重症度の高いものは医師に診察していただきます。
ここで一番のポイントは痛みと重症度は比例しないということです。
皆さんケガをしても歩けたり動かせたりすると、比較的程度を軽く考えます。
しかし、部位によっては回復が早いところとかなり時間がかかる部位があります。
また、損傷は小さくとも重要な部分もあります。筋肉が骨などにくっついている付着部付近などがそうです。
ここは血流が乏しく修復がなかなか進みません。痛みが少ない、歩けるからといって軽く考えず、まずは専門家に受診しましょう。
【ケア・リハビリ】
治療の基本はRICEです。以前の記事を参考にしてください。
私は圧迫固定を行いますが、目安は2週間としています。
肉離れの軽中度の場合、回復具合を測る基準は以下のものがあります。
・動かせる範囲は健側と比べてどこまで広がったか
・どれくらい力が発揮できるようになったか
・ランニング、ジャンプなどをしても痛みはないか
・競技をしても痛くはないか
などです。
重症時は手術となる場合があります。ここは医師の判断となりますのでよくお話を伺ってください。
期間は部位によって変わってきます。スポーツをしているなら種目によっても変わります。
実際は動きを観ながらですが、基本は痛みがない動きをリハビリとして行っていきます。
簡単な概略を書いてきました。比較的発生頻度の高いケガですが、軽く考えずしっかりとケアをしてください!!
コメント
コメントを投稿