ケガした時の応急処置"RICE"
日常生活やスポーツの現場で、ケガをした時に処置ができる方が近くにいるケースは少ないです。
なんでもそうですが、問題が発生したときに適切な処置が早いと、被害を小さく抑える事ができます。
ケガも同じです。
そこで、覚えておくと役立つ応急処置方法を紹介いたします。
ただ、多量の出血、頭部頸部の損傷、意識障害、骨折部の大きな変形などは動かさず、直ちに救急車を呼んでくださいね。
RICEの原則
4つの処置行程の頭文字をとって『RICE』と呼ばれています。
ケガをしたときの緊急処置は、患部の出血・腫れ・痛みを最小限する目的にした安静(rest)、冷却(icing)、圧迫(compression)、挙上(elevation)です。
安静(rest)
患部を出来る限り動かさず、不動を保ちます。また周りにもできるだけ障害物を片付けておくようにします。
動かしたり、ぶつけたりしてしまうと損傷を悪化させてしまう可能性があります。ケガをしたら安静にして動かさないことが大切です。
冷却(icing)
患部を冷やす事で腫れや痛みを抑える効果があります。
この時、氷をビニール袋に入れてタオルなどで覆ってから患部を冷やす事をおすすめします。
しかし、直接皮膚にicingを当ててしまうと、低温やけどを起こす可能性があります。
とくに保冷剤は注意が必要です。直接当ててしまい低温やけどをした患者さんを何回か見たことがあります。気を付けてください。
ビニール内の空気を抜く事や、少しの食塩を入れると冷却効果が高まります。
時間は20分ぐらいにしておきましょう。それ以上は正常な組織まで血流障害を起こしたり、皮膚も低温やけどのリスクがあります。
痛みの程度にもよりますが、1日1〜3回が目安です。
圧迫(compression)
患部の動揺を防ぐ事で損傷を広げない効果と、腫れ、出血を抑える効果があります。
もし、道具があれば、腫れが出そうな所にパットなども当てておくのもよいでしょう。
ただ、気をつけてほしいのは、直接テーピングを皮膚に付けて固定しないで下さいという事です。
良くあるのですが、『固定してきました』と言ってテーピングを直接患部に巻き付けてくる方がいらっしゃいます。でもこれは剥がす時に危険な事があります。
まず、腫れると皮膚が弱くなります。剥がして皮膚に水疱とかできると処置ができにくい事になります。
また、万が一骨折とかあると、剥がす時により骨片が転位して悪化するケースもあります。
圧迫するときはなるべく包帯と添え木にしてください。
挙上(elevation)
患部を下ろしていると、重力の関係や心臓からの圧力で血液が末端に集まります。また、ケガをすると組織もダメージを受けて血液の流れが悪くなります。
そうなると患部の内圧が高くなって、痛みが強くなります。また血流が悪いと治りも悪くなります。
出来る限り患部を下に下さず、楽な姿勢で高くしておきましょう。
以上が応急処置となります。
現場でいち早く処置する事が大切ですが、その場で判断せず治療機関で診てもらう事をお勧めします。
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