高齢者の運動するポイント 2
秋も深まり気温も下がって参りました。 さぁ皆さん、運動をしましょう!! 前回 は高齢者の運動するポイントで ①バランスと空間認知 ②股関節の動き ③手で押す・引く を確認いたしました。 今回はその続きです。 ④足の前後立ち 人は歩く際、足が前後になります。 実はこの時、バランスは非常に不安定なのです。 転倒を恐れるあまり徐々に歩幅が小さくなってしまい、結果、股関節の可動域が狭くなってしまいます。 この運動の目的は各脚の筋力と安定性を個別に向上させることです。 人それぞれ利き手があるように、力が入りやすい脚もあります。 そうなると脚力差が出てしまいバランスが崩れ、他の部位にも影響が出る可能性も高いです。 また、高齢者であれば不安定感から転倒へとつながる恐れもあります。 左右差を減らすためにも前後立ちで運動することは効果的です。 前後スタンスでスクワットなどが簡単でよいでしょう。 ただ、トレーニング中に転倒してしまう恐れもあるので、最初は壁などに手を当てながら体を安定させ、安全には十分気を付けてトレーニングしてください。 ⑤物を持って運ぶ これは非常にメリットの多い運動です。 理由の一つ目は、日常において多く見られる動作のため、生活に直結する運動だからです。 運動する方もイメージが付きやすく、実践的です。 例えば買い物をして持って帰るとき、不自然な姿勢では家に着く頃に体を痛めてしまいます。 しかし、普段から練習していて、身体の使い方が分かっていいれば痛みの予防になります。 二つ目は体幹トレーニングにもなるからです。 荷物を持ちながら姿勢を保とうとする際、自然と体幹が働きます。体幹はその字の通り『体の幹』ですからこの部分が安定すると四肢への負担がかなり軽減します。 また、物を持ったままで移動すると重心が変わりますが、これに合わせて体幹の力が入る部位も変化します。ここがポイントです。 人は止まった状態で力を入れ続けることはあまりないのです。 常に動いて生活しているので、一瞬で力の入る部位が変わるのです。 このため不動の状態で体幹トレーニングするよりも、このように動きながら体幹を活性化する方がより効果的だと考えます。 まずは軽い荷物を袋に入れて、姿勢を意識して歩いてみてください。 重さや右手左手だけでなく、持つ位置、移動するスピード、移動する方向を変えるなどす...