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6月, 2022の投稿を表示しています

呼吸

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   意識する、しないにかかわらず、生きている限り行い続ける動作があります。 それは呼吸です。 100歳を越える方が、『長生きの秘訣は何ですか?』とインタビューを受けていた際、答えていたのが 『ボケてご飯食べたのを忘れても、呼吸するのを忘れなければ長生きできる』 と答えていて笑いました。  確かに呼吸は休むことなく行い続けるものです。 そして呼吸は、体の調子を整えるのに重要な要素でもあります。 今回はこの呼吸について考えています。  呼吸の役割はガス交換です。 体内に酸素を溜めておくことができないため、常に取り込み、そして代謝されて変化した二酸化炭素を吐き出す必要があります。 そのため常に行う必要があります。 その際、筋肉を使って肺を動かしてます。これは無意識に行われています。 呼吸は姿勢や感情によって変化しますが、その逆に呼吸によっても姿勢や感情を変化させることができるのです。  理想的な呼吸動作には可動性がある肋骨と胸椎が必要です。 仮に、個々の動きが悪ければどこかほかのところで代償動作をしなければなりません。 肋骨と胸骨が固定されていると首、上位肋骨部分使います。鎖骨に手を置くと上下する動きです。 これはあまりよくありません。 首周辺の筋肉を使い、緊張させてしまいます。 このエリアは非常に狭いため、周辺の筋を積極的に使うと、神経や血管束圧迫してしまうかもしれません。 そうなると様々身体に症状が出てくることもあります。 呼吸の理想的な動きは上下でなく、内外が良いのです。 もし、ただ座っているだけなのに、首を使って呼吸するのであれば問題があります。    また、運動したり、緊張すると酸素の需要が増えます。 でも、運動量が上がっているときに胸式呼吸をするのは大丈夫です。少しでも酸素が欲しいので当然の働きです。  呼吸は大まかに横隔膜呼吸と肋骨呼吸があります。 どちらが良いとか悪いとかではありません。どちらも使いようなのです。 呼吸は横隔膜を使って安定性を増しますが、脊柱を固定しなければ、ではありません。脊柱は24個ありそれぞれ動く必要があります。 運動学的に脊柱、股関節、体幹の筋は連動して動いています。この中で一つだけ動かすということはできないのです。    体の中で横隔膜が、両面テープで上下つながっているイメージです。(いいイラストがなくすみません。。。) 息を吸

水分補給

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 気がつけば6月も中旬となりました。 梅雨真っ盛りですが、意外と気温も湿度も低く、過ごしやすい日々ですね。  しかし、暑い夏はすぐそこまできております。 前回は暑さにおける 順化について 書きましたが、今回は熱中症・脱水症状を防ぐための水分補給について考えてまいります。  昔は部活などで水を飲むとプレーの動きが悪くなると言って、水分補給なしでトレーニングしてました。 炎天下の中、しんどかった、、、。倒れずよく乗り切った、、、。と、今でも思い出します。 いま、そのような考えは少なくなってきた(いない?)と感じます。危険であることが周知されてきたのですね。 水  人は水無しでは4〜10日間しか生存できません。 食物は無くとも30日間ぐらいは生存できる(凄いな、、、)と言われている事から、水の重要性がよく分かります。  実は温度、生理学ストレスが加わり、発汗等で失った水分は、自発的意思では水分補給はできないのです。 簡単に言うと運動して水分を消費しても、暫くは喉が渇いたと自覚しないのです。 なので、運動中の発汗の約2/3は補給できていないと言われております。 よく『喉が乾く前に水を飲め』とはこの意味で、喉が渇いたと感じてからでは少し遅いのです。 コーチはこのことをよく選手へ自覚させなければならなく、脱水を防ぐことに大きく役立ちます。 喉の渇きは、水分の需要を示す指標にあまりならないことを覚えておきましょう。 身体の水分調整は、日常生活で水分摂取と腎臓による排出により、無意識下で調整され、体液バランスが保持されています。  水分摂取目安は一日2.7〜3.7ℓ で、これには食事のなかの物も含まれています。 男子は女子より多めなりますので、3ℓ以上を心がけましょう。  これは日常生活のなかでの目安なので、運動をすれば運動量に応じて摂取量はさらに増えてきます。 脱水になるにつれ、体温が上昇してきます。 体重の1%消失で深部体温が上昇します。3〜5%減ると心臓に負担、熱放散能力減少。 7%以上消失で熱虚脱となり、危険な状態へとつながっていきます。  暑い中での運動で、2〜6%おちるのは良くあることです。 パフォーマンスは間違いなく下がるので、やはり暑いうちのトレーニングは考慮して経過うすべきです。 電解質  水分補給は水だけでなく、電解質も補給します。 電解質はパフォーマンスに影響

暑い中での持久性トレーニング

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 6月に入り気温が上がってまいりました。  コロナ感染症対策でのマスク着用規制も徐々に緩和されるなか、スポーツをされる機会も増えてきました。 しかし、そのような中で熱中症にも気をつけなければなりません。 今回は暑い中でのトレーニング・仕事における注意点を考えてゆきます。 高体温が引き起こす疲労  高体温の状態では適切な水分補給ができていても、パフォーマンスが低下してきます。 血管系に大きな変動をもたらすことにより、疲労を引き起こしやすくなるのです。 また、中枢神経系の影響もありパフォーマス・集中力も低下してくるのです。 そのほか、末梢神経なども関係し、これらが複雑に絡みあって身体に疲労をもたらすのです。  対策としましては順化(適応する、慣れる)ことが大切です。そのためのトレーニング・準備が必要になってくるのです。 暑熱順化における生理学的適応  暑熱順化は皮膚温と核心温が上昇するような環境でおこり、それに伴い多量の汗をかきます。 暑さと運動ストレスを組み合わせた環境で核心温を上昇させ、そこに適切な強度と時間を組み合わせることで徐々に体が慣れてきます。  様々な研究結果がありますが、目安としては中程度の負荷(少しキツかな…ぐらい)を約一時間行い、これを連続で10日から14日継続すると体が慣れてくるそうです。  評価基準は直腸温や運動継続時間の計測と言われますが、なかなか簡単にはできませんよね。。。 代わりに評価を行えるものとしては、心拍数があります。  体は気温上昇に連動して、心拍数も上昇させます。なので安静時の心拍数を知っておくと変化に気が付きます。 運動はじめはすぐに上昇する心拍数も、暑さに慣れてくると徐々に上昇を始める時間が長くなってきます。そして、心拍数の上昇が抑えられてくるでしょう。この変化が順化を知る目安になります。 ただ、この研究はまだ浅く、真偽が分かれているところです。今後の研究を待ちましょう。  暑熱順化の成果としては発汗量の増加、皮膚血流量の増加、ナトリウムなどのミネラル濃度の低下が得られ、その結果高温に対する熱耐性が高くなると言われております。  ただ、湿度が高いと発汗が抑えられてしまうため注意が必要です。外の湿度が高いと汗が出にくくなり、熱が体にこもってしまいますので、シャツを変える、汗を拭きとるなどして肌を少しでも乾きやすくし、汗を流しやす