呼吸

 

 意識する、しないにかかわらず、生きている限り行い続ける動作があります。

それは呼吸です。

100歳を越える方が、『長生きの秘訣は何ですか?』とインタビューを受けていた際、答えていたのが

『ボケてご飯食べたのを忘れても、呼吸するのを忘れなければ長生きできる』

と答えていて笑いました。

 確かに呼吸は休むことなく行い続けるものです。

そして呼吸は、体の調子を整えるのに重要な要素でもあります。

今回はこの呼吸について考えています。


 呼吸の役割はガス交換です。

体内に酸素を溜めておくことができないため、常に取り込み、そして代謝されて変化した二酸化炭素を吐き出す必要があります。

そのため常に行う必要があります。

その際、筋肉を使って肺を動かしてます。これは無意識に行われています。

呼吸は姿勢や感情によって変化しますが、その逆に呼吸によっても姿勢や感情を変化させることができるのです。


 理想的な呼吸動作には可動性がある肋骨と胸椎が必要です。

仮に、個々の動きが悪ければどこかほかのところで代償動作をしなければなりません。

肋骨と胸骨が固定されていると首、上位肋骨部分使います。鎖骨に手を置くと上下する動きです。

これはあまりよくありません。

首周辺の筋肉を使い、緊張させてしまいます。

このエリアは非常に狭いため、周辺の筋を積極的に使うと、神経や血管束圧迫してしまうかもしれません。

そうなると様々身体に症状が出てくることもあります。

呼吸の理想的な動きは上下でなく、内外が良いのです。

もし、ただ座っているだけなのに、首を使って呼吸するのであれば問題があります。

 

 また、運動したり、緊張すると酸素の需要が増えます。

でも、運動量が上がっているときに胸式呼吸をするのは大丈夫です。少しでも酸素が欲しいので当然の働きです。


 呼吸は大まかに横隔膜呼吸と肋骨呼吸があります。

どちらが良いとか悪いとかではありません。どちらも使いようなのです。

呼吸は横隔膜を使って安定性を増しますが、脊柱を固定しなければ、ではありません。脊柱は24個ありそれぞれ動く必要があります。

運動学的に脊柱、股関節、体幹の筋は連動して動いています。この中で一つだけ動かすということはできないのです。

 

 体の中で横隔膜が、両面テープで上下つながっているイメージです。(いいイラストがなくすみません。。。)

息を吸うと横隔膜が収縮して肺のエリアを広げ、酸素を取り入れます。

そして、息を吐くと横隔膜が弛緩し、肺のエリアを上に押し上げます。そうして二酸化炭素を外へ出すのです。

 

 この呼吸する動きの中で、胸郭や脊柱へ影響を与えています。

横隔膜は上下に動いてほしいのですが、うまく使えず開きっぱなしの場合、背中と肋骨が大きく広がってしまいます。

そうすると可動性が狭くなり、組織が緊張して体全体の動きを悪くします。

また、この時腹筋を使うようなおなかに力を入れて呼吸をすると、逆に横隔膜は動きません。


 体幹がコントロールできずに不安定な時、脊柱などを固めて安定させようとすると、動きの中で不具合が起こります。これが不調の引き金にもなっているのです。


ではどうしたらよいの?

この具体的な改善方法は改めて話をしていきたいと思います。

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