投稿

8月, 2022の投稿を表示しています

範疇外となるいくつかの症例経験

イメージ
 この仕事を長くやっていると、色々な痛みを抱えて患者さんが来院される事があります。 時には柔道整復師の扱える外傷以外の方もいらっしゃいます。 なので、身体にまつわる様々な外傷、疾患も知っていなければいけません。 場合によっては患者さんの命が危険な時もあるので。  いつも怖いと思って仕事してます。何年経っても同じ気持ちです。  過去に経験した、いくつかの範疇外の事例を紹介いたします。 蜂窩織炎  比較的多くいらっしゃいます。 高齢者の方で、足・腕が腫れて凄く痛いので診てほしいと言って来院されます。 皆さん、『ぶつけた覚えがないけどねぇ〜。』とおっしゃっていました。 でも、凄く痛いと訴えます。  初めての診た時は、たまたま関連する本を読んですぐでしたので、頭にしっかり残ってました。 症状と経過をきいて、当てはまりそうなので、すぐに病院へ行ってもらいました。  中にはあまり行きたがらない方もいます。 『命に関わる危険な可能性があるので、このまますぐ行って下さい』と強く伝えます。  手足が痛いだけと勘違いされ、痛みが強いものの、この疾患を軽く診ている方が多い印象をうけました。 腎臓破裂  これは私がトレーナー活動をはじめて、間もない時に経験しました。  サッカーの紅白戦で、フィールドプレーヤーが相手と激しく接触。  腰に膝が入ったと言ってその場に倒れこみ、しばらく動けなかったものの、自分でに立ち上がり、歩いてピッチ外へ出ていきました。  本人も「大丈夫です。できます」と言ってましたが、無理をさせず、プレーを止めさせました。  その後は、チームメイトとも冗談を言っりして、普通に過ごしていましたが、痛みを訴えていたのが第11,12肋骨のすぐ下で、いつもの打撲と違う感じをうけました。 なので近くで座らせ、目の届くところで様子を見てました。 そうしたら1時間後ぐらいその子が歩いきて 「オシッコが真っ赤だった。」 と言ってきました。 慌てて総合病院を探し、連れていきました。  痛みを強く訴えるではなく、また意識もしっかりしていて、周りも”大げさに言ったんじゃない?”みたいな空気がありましたが、病院で検査をしたら腎臓が破裂して緊急入院でした。 幸い、手術は無く後遺症も無かったです。  現場を見ていましたが、そこまで激しくぶつかった様子は無く大丈夫そうだなと感じておりましたが、不安が当た

安静時心拍数を下げる

イメージ
 副交感神経が優位となると身体が回復傾向であり、その兆候としては心拍数が有効であるお話は前回いたしまたした。( 副交感神経 ) 心拍数を計測する上で、安静時心拍数は自分自身で知っておきたいです。 体がゆっくりしているときの平均的な心臓拍動数です。  1分間で60回ぐらいが目安となっておりますが、持病等があるときはまた別です。 前回もお話ししましたが、心臓がゆっくりと拍動しているときは副交感神経が優位となっており、体が回復傾向という指標にもなります。 交感神経が優位、つまり活動しているときは心拍数も上がります。この変化(変動)が大きいほど身体のリズムが取れていると考えられてます。 では、どうしたら安静時の心拍数が下げられるのでしょうか。 それは ①毎日のリズムを整えて睡眠を十分にとる ②刺激物の食べ物・飲み物をさける ③肥満をさける 当たり前のことですね。 しかし重要なことです。これらを行うだけで心拍数が変化するかもしれません。 また、もう一つ方法があります。 ④有酸素運動能力を高める 低強度の運動を長く行う事で体内の酸素運搬能力が高まります。簡単に言うと心臓の筋トレです。 軽い負荷、心拍数が1分間に120〜140回ぐらいの運動を30〜60分間が目安となります。 ランニングでもサイクリングでもボート漕ぎとかでも良です。 心臓が強くなる事により、酸素の代謝能力、心拍出量も増加します。すると日常生活の動きが楽になっていきます。  また、身体を動かしても素早く心臓の働きが落ち着きます。つまり、回復が早まります。 心拍数が落ち着き、また呼吸数も減少していると副交感神経が優位になっていると考えられます。 身体が回復傾向となっている兆候です。  アスリートで安静時心拍数が安定してできるようなら更なるレベルアップを考えます。 高強度トレーニング(心拍数が180前後もしくはそれ以上)で、トレーニング:インターバルの比率は1:1もしくは1:2をおこないます。トレーニング時間の目安は個人的に2〜3分が良いかなと思います。 これを3〜5セット。 高強度のトレーニングをした後、1分後に、心拍数がしっかり落ちるようであれば、回復力が高い身体となっていると考えられます。 これは負荷が高いトレーニングなので、計画的に行い、回復もしっかり考えて行って下さい。 しかし、基本は低強度・長時間ができてから

副交感神経

イメージ
  少し夏バテ気味です。 休みたいけど休めない。24時間戦えません。。。。 適度に休みましょー!  前回 ホメオスタシス で自律神経について少し触れました。 今回はその一つの副交感神経について書いていきます。  回復(リカバリー)についてポイントとなるのが副交感神経神経の働きです。 では、この副交感神経はどのような作用があるのでしょうか?   副交感神経 主な作用 ・血管の拡張→血圧がさがる。 ・心拍数の低下 ・筋肉の弛緩 ・胃腸の動きが活発 ・呼吸数が減少    などなど 簡単に言うと、精神的にリラックスしている時の感覚ですね。 つまり 身体を回復させようと する働きです。  身体のレベルアップにつながるトレーニング方法は多く広まっておりますが、逆にリカバリーに対する方法はあまり広まっていません。 回復していない状況でトレーニング・活動をする事は、あまり効率的ではありません。 「気持ちで乗り切る!!」 という精神論も大切ですが、長期間継続させる事は容易ではありません。 身体に負荷をかけた与えた後に、しっかりとリカバリーされると各機能は以前より向上しているケースが多くあります。 負荷への耐性が付くのですね。 よく、ドラゴンボールのキャラクターでも、瀕死の状態から回復するとレベルが上がっていました。 理にかなってます。  耐性がつくことにより、以前と同じ負荷であっても軽くこなす事ができます。 これは体力を温存させる事へとつながっていきます。 このリカバリーにおいて、ポイントとなるのが副交感神経の作用です。 この作用がしっかり働いていると、回復傾向だと予想されます。  逆に交感神経優位の時には、上記の逆の事が起こってます。 活動しやすくなる反面、疲労が溜まってきます。 体をただ休めるだけでなく、しっかり副交感神経が働いているかモニタリングすると良いです。 その指標はいくつかありますが、私は心拍数が1番手軽で分かりやすいかなと感じます。 心拍数でのモニタリングを説明すると長くなってしまいますが、簡単には変動(心拍数が多くなったり、すくなくなったり)が大きいと身体のON、OFFができている指標となっています。 副交感神経を活性化する為には ①睡眠 夜はスマホなどいじらないようにしましょう。 目から光が入ると交感神経が活性化します。 太陽のひかりと勘違いするのでしょうか? 興

ホメオスタシス

イメージ
 夏が好きな私ですが、今年の暑さには少しやられ気味です。。。 歳のせいかもしれませんが。。。 でも、寒いよりかは良いです。  前回はリカバリーに関する事を書きました。 今回はその中で関係してくる、自動で身体を整える機能、ホメオスタシス(身体の恒常性)について簡単にまとめていきます。 ホメオスタシスとは  まとめると、 環境が変化しても体の中を一定に保つ能力のこと であります。 具体的には体温、血液成分、血液量などを自動で整えてくれて、身体の調子を良くしてくれます。  ちょうど平均台の上を歩く時に落ちないようにバランスをとって、落ちないよう歩くのに似ています。 つまり、周りの環境に応じて体内を一定に保つよう、自動で体内物質を増やしたり減らしたり、上げたり下げたりする能力があります。 環境が変化しても(気温や湿度、気圧など)生きて行くための適応です。    これはかなり繊細に作られています。 ヒトは長い年月を進化して行く中で身につけた能力です。 進化で身体の変化を調べていくと、いつも『凄いなぁ〜』って驚かせられます。  ホメオスタシス機能の一つに、体温調節があります。 気温が上がると体温もあがってしまい、タンパク質などが変化してしまう恐れがあります。 これでは身体が危険です。 そこで身体は体温上昇を防ぐために、汗をかいたり、血管を開いたりするなどをして、何とか熱を逃そうと自動で働きます。 凄いです。(しつこいですが)  このホメオスタシス機能は、主に 自律神経 で調整しております。 自律神経を聞いたことがあるかと思いますが、交感神経と副交感神経に分けられます。 これは、24時間ずっと働いている体内の管理システムです。 自律神経  このふたつの自律神経には働きが異なります。 簡単に分けると 交感神経・・・活動を促します 副交感神経・・・休息(回復)を促します  人が無意識でも外界に応じて呼吸、体温調節、など出来るのも自律神経が自動で働いているからです。 だから寝ている時でも一定に、身体を保てるのです。  この自律神経を整えるには規則正しい生活を送ることがポイントです。 何十万年もかけて生きるためにこの身体を変化させて適応させてきたのです。 文明が発達し、環境に逆らって生活出来るようになったのはここ数十年です。 この短い期間では適応のため、身体を変化させる事はできません。

運動の効果に対する考え

イメージ
   暑い日々が続きます。 寒いよりは暑い方が好きな私には喜ばしいですが、しかし暑すぎます。。。  この暑さのなかでもトレーニングをしたり、仕事をしたりするなど、活動をされている方が多くいます。 昔は暑かろうが寒かろうが関係なく、常に必死にトレーニングをして、更なるレベルアップを図っておりました。 痛みなくして成長なし、とありましたが今は違うようです。 以前もリカバリーに関する事を書かせて頂きましたが( 身体のリカバリーについて )、なぜリカバリーが必要かもう少し考えていきます。  良く、『こんなに運動しているのになかなかレベルが上がらない、痩せない』とか、『きついトレーニングを続けていたら腰、膝に痛みがでた』 など聞きます。  結局、トレーニングを継続できなかった、という経験をされた方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。  何故効果が思ったほど上がらないのでしょうか?  それは、人の1日に使えるエネルギーはある程度決まっているからです。 たくさんエネルギーを摂取すれば、全て変換して消費するといわけでは無さそうです。 沢山トレーニングをしたら沢山エネルギーを消費するのではなく、他に使う分のエネルギーを使って活動する事となります。 1日に消費する総エネルギーはあまり変わらないのです。   エネルギー消費には大きく3つに分けられます。 1  生命維持活動  心臓、肺などの内臓を動かすなど生きていくために最低限の動きをする事です。 これが無かったら生きていけません。ここは欠かすことなく脳は優先的にエネルギーを配分します。 2  活動するため  脳を使って考える。移動のため歩く、競技のトレーニングをするなど、活動するためのエネルギー消費が2番目になります。  また、ストレスに対応するためにもエネルギーを消費します。 ストレスはある程度必要ですが、適度を越えるストレス、つまりイライラ、心配、不安などにも体は反応し、適応するためエネルギーを消費します。 3  修復  最後に身体を修復するためにエネルギーを使います。 筋組織や他の細胞などを修復たり、脂肪を減らしたりすることでパフォーマンスを向上させます。 これを残ったエネルギーで行います。パフォーマンスを上げるために生命維持を犠牲にすることは脳はしません。   なので高強度のトレーニングを継続すると、修復の分エネルギーは残っ