範疇外となるいくつかの症例経験


 この仕事を長くやっていると、色々な痛みを抱えて患者さんが来院される事があります。

時には柔道整復師の扱える外傷以外の方もいらっしゃいます。

なので、身体にまつわる様々な外傷、疾患も知っていなければいけません。

場合によっては患者さんの命が危険な時もあるので。

 いつも怖いと思って仕事してます。何年経っても同じ気持ちです。

 過去に経験した、いくつかの範疇外の事例を紹介いたします。

蜂窩織炎

 比較的多くいらっしゃいます。

高齢者の方で、足・腕が腫れて凄く痛いので診てほしいと言って来院されます。

皆さん、『ぶつけた覚えがないけどねぇ〜。』とおっしゃっていました。

でも、凄く痛いと訴えます。

 初めての診た時は、たまたま関連する本を読んですぐでしたので、頭にしっかり残ってました。

症状と経過をきいて、当てはまりそうなので、すぐに病院へ行ってもらいました。

 中にはあまり行きたがらない方もいます。

『命に関わる危険な可能性があるので、このまますぐ行って下さい』と強く伝えます。

 手足が痛いだけと勘違いされ、痛みが強いものの、この疾患を軽く診ている方が多い印象をうけました。

腎臓破裂

 これは私がトレーナー活動をはじめて、間もない時に経験しました。

 サッカーの紅白戦で、フィールドプレーヤーが相手と激しく接触。

 腰に膝が入ったと言ってその場に倒れこみ、しばらく動けなかったものの、自分でに立ち上がり、歩いてピッチ外へ出ていきました。

 本人も「大丈夫です。できます」と言ってましたが、無理をさせず、プレーを止めさせました。

 その後は、チームメイトとも冗談を言っりして、普通に過ごしていましたが、痛みを訴えていたのが第11,12肋骨のすぐ下で、いつもの打撲と違う感じをうけました。

なので近くで座らせ、目の届くところで様子を見てました。

そうしたら1時間後ぐらいその子が歩いきて

「オシッコが真っ赤だった。」

と言ってきました。
慌てて総合病院を探し、連れていきました。

 痛みを強く訴えるではなく、また意識もしっかりしていて、周りも”大げさに言ったんじゃない?”みたいな空気がありましたが、病院で検査をしたら腎臓が破裂して緊急入院でした。
幸い、手術は無く後遺症も無かったです。

 現場を見ていましたが、そこまで激しくぶつかった様子は無く大丈夫そうだなと感じておりましたが、不安が当たりました。

部位が悪いと衝撃は中まで伝わるのだな感じ、より一層気をつけら様になりました。

脳内出血

 高齢者で過去2名いらっしゃいました。

 他の部位で怪我をされ通院してましたが、その日はいつもと違う様子でした。

会話があまり成り立たず、歩行、立ち上がり動作も不安定でした。

特にお一人の方に関しては、スリッパが上手く履けない状態でした。

本人的には意識がしっかりされ、病院へ受診する事を促しても「大丈夫、大丈夫、大袈裟だよ」と、断られ続けたので、ご家族に連絡して迎えに来てもらい、状況を説明し脳神経外科のあるところへすぐ診てもらって下さいと話しました。

結局、救急車で搬送され受診すると、そのまま入院、緊急手術でした。




 この他にもいくつか症例がありますが、事あるごとに普段の施術から患者さんの動き、訴え、様子をより一層気を付けて観察するようになりました。

知識、エビデンスだけでなく、自分が感じる違和感という”経験”も、判断材料の一部にしています。

場合によっては命にも関わる事もあるので、業務内のことだけでなく、日々体にまつわる知識は数多く必要だなと強く感じてます。

出来る事は少なくとも、範疇外の対応方法だけはシュミレーションしておきます。



※疾患の参照

【MSD マニュアル 家庭版】








コメント

このブログの人気の投稿

高齢者の運動するポイント 2

サッカーにおけるケガ

ケガした時の応急処置"RICE"