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骨盤底筋群

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  先日、とある勉強会に参加いたしました。 骨盤底筋群機能障害というもので、男性にもいらっしゃいますが、主に女性に関わる障害です。 症状としては腰痛、便秘、失禁、臓器の下垂等です。  男性の私には直接仕事に関わる事の少ない症例ですが、身体の構造、機能を知るには大変興味深いものでした。  女性の骨盤内の臓器や形状は、男性とやや異なるため、様々な問題に直面する事が多いです。 また他にも、ホルモンの大きな変化や出産によっても、大きな影響を与えています。 骨盤の底辺にあたるこの部分が安定しないと、様々障害があるのですね。  最近、この骨盤底筋群機能障害が注目されています。女性の失禁などが良く取り沙汰されますが、他にもアライメントが崩れることにより腰痛が起こったり、体幹バランスが崩れて転倒のリスクが増えるケースなどもあります。 この辺りは私にも直接関係するとのなので、参考になりました。  治療法としては基本的に運動療法となります。 デリケートな部分であり、さまざまな配慮をしながら治療をしますので、男性の私が施術するケースはほぼ無いでしょう。 ただ、解剖学的、機能的に考えると生活に影響を与える重要な部分でした。もっと深く学んでいきたい部分です。  私がこの件に関して相談を受けるケースは少ないと感じましたが、こういう所でこういう治療をしているなどのアドバイスはいつでもできるよう準備はしておきたいものです。   治療家として信頼され、身体に関し様々相談していただけるよう、関係を築きたいといつも心がけています。 そのために今後もより一層学んでいきます。

ストレスと心拍数

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   最近、私の中で回復'(リカバリー)に関する事に興味があり勉強しています。 ですので、心拍数に関するblogが多くなってしまいました・・・・。すみません。。。 どれだけトレーニング・勉強をしても、思ったより向上が見られない時があります。 日本人はトレーニング・勉強時間諸外国よりは比較的長い方です。 しかし、必ずトップを取れるわけではないです。 海外では、それほどトレーニング等に時間を割いてはいないが、日本人より技術・体力ともに上回る事が多いです。 なぜだろうか? それは海外ではトレーニング等を始める前に、できる限りのリカバリー(回復)をしてから、100%に近い状態でトレーニングをしているからです。  日本人はやっているだけで満足して、効果はあまり重要視していない傾向(文化?)がありました。 疲労度もしくはストレスを感じている時に、身体は100%の力を発揮しにくいです。 以前のblogにもいくつか書きましたが、疲労度を数値化する動きがみられて、これは心拍数の変動が信憑性が高いのでは、と考えられています。 生物の身体は、生きるために反応します。 脳は無意識であっても、生命を守るために身体へ働きかけます。 そして、その脳がいまどう反応しているかを計測するには、意志とは関係ない自律神経の働きをみると分かりやすいそうです。 つまり、いま身体を回復させようとしているのか、活動させようとしているのかを測るのです。 この変化を察知するにあたり、心拍数の変化が信頼性が高いものと考えられています。  実はこの研究は最近出てきたものでなく、1960年代ぐらいの宇宙飛行士が初めて月に立ったとき、生命の状態を把握するため使われていたところから始まりまります。 なので研究もかなりの数があります。  以前は大変高価な装置が無いと心拍数は気軽に計測できなかったのですが、現在はスマートフォンの普及により身近になりました。 そこで、様々な場で活用できる心拍数の健康管理機器が出てきました。  心拍数の変化を簡単に説明すると、身体が活動すると心拍数が高くなります。 逆にリラックスしていると心拍数が下がります。 これは運動するしないだけに限りません。 さまざまなストレスを感じているだけでも心拍数は下がりません。 身体の内部で、ストレスに対応するため活動しているからです。    ストレスはトレーニ...

関節ねずみ

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  コロナ感染症に対する規制もだいぶ緩和されてきまして、生活が徐々に戻りつつある中で、各スポーツも大会等が増えてきました。  それに伴いケガをされる方も増えてきました。 今回は足関節に通称”関節ねずみ”をもつ患者さんがいらっしゃいましたので、それについてお話していきます。  医学的には『関節内遊離体』とよばれ、軟骨の一部が剥がれ、関節内を動き回ることから"関節ねずみ"とも呼ばれます。 本来無いはずの骨や軟骨のかけらが、関節内にある状態のことを指します。 肘や足関節、膝などによく起こり、野球、バスケット、サッカー、バレーボールなどの競技者に多い傾向があります。 原因  何らかの外傷によって起こりやすいです。 捻挫かなと思っているいたら、なかなか痛みが引かず、レントゲンを撮ってみたら軟骨の一部が剥離していたというケースが良くあります。  また、離断性骨軟骨炎もよくみられます。 これは思春期〜20代のスポーツ選手によく見られます。 繰り返し同じ場所にストレスがかかり、関節軟骨が一部剥がれてしまうことです。血流障害により発生すると考えられています。 野球選手、特に投手の肘などよく話題にあがり、手術をして除去したとよく聞きますね。 また、加齢と共に変形性関節炎を伴い、変性した骨棘の一部が遊離して関節内へ入り込むこともあります。 これは膝に見られる事が多いです。 症状  軟骨が遊離して関節内に入り込むと、場所によっては激痛がおこります。 また、離断した場所がさらに悪いや骨片が大きいと、関節内で挟まってしまい、ロッキングと言って関節の可動域制限を起こすこともあります。 しかし、"ねずみ"の状態であっても痛みがない場合があります。 逆に遊離してなくても、弱い痛みや違和感が出ることもあります。 痛みが長引くときは一度医師の診察を受けましょう。レントゲンやMRIなどでよく分かります。 治療  症状がでていない、また完全に遊離していないものには保存療法が選択されます。 場合よっては荷重制限や運動制限で症状が安定し、生活や競技に支障が少ないこともあります。比較的軽減する事も多くあります。  しかし、強い痛みやロッキングなどの症状が出てしまう時は手術も考えなくては行けません。 この辺りは医師とよく相談となります。 意外と軽い痛みだ考えていたら重症であっ...

範疇外となるいくつかの症例経験

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 この仕事を長くやっていると、色々な痛みを抱えて患者さんが来院される事があります。 時には柔道整復師の扱える外傷以外の方もいらっしゃいます。 なので、身体にまつわる様々な外傷、疾患も知っていなければいけません。 場合によっては患者さんの命が危険な時もあるので。  いつも怖いと思って仕事してます。何年経っても同じ気持ちです。  過去に経験した、いくつかの範疇外の事例を紹介いたします。 蜂窩織炎  比較的多くいらっしゃいます。 高齢者の方で、足・腕が腫れて凄く痛いので診てほしいと言って来院されます。 皆さん、『ぶつけた覚えがないけどねぇ〜。』とおっしゃっていました。 でも、凄く痛いと訴えます。  初めての診た時は、たまたま関連する本を読んですぐでしたので、頭にしっかり残ってました。 症状と経過をきいて、当てはまりそうなので、すぐに病院へ行ってもらいました。  中にはあまり行きたがらない方もいます。 『命に関わる危険な可能性があるので、このまますぐ行って下さい』と強く伝えます。  手足が痛いだけと勘違いされ、痛みが強いものの、この疾患を軽く診ている方が多い印象をうけました。 腎臓破裂  これは私がトレーナー活動をはじめて、間もない時に経験しました。  サッカーの紅白戦で、フィールドプレーヤーが相手と激しく接触。  腰に膝が入ったと言ってその場に倒れこみ、しばらく動けなかったものの、自分でに立ち上がり、歩いてピッチ外へ出ていきました。  本人も「大丈夫です。できます」と言ってましたが、無理をさせず、プレーを止めさせました。  その後は、チームメイトとも冗談を言っりして、普通に過ごしていましたが、痛みを訴えていたのが第11,12肋骨のすぐ下で、いつもの打撲と違う感じをうけました。 なので近くで座らせ、目の届くところで様子を見てました。 そうしたら1時間後ぐらいその子が歩いきて 「オシッコが真っ赤だった。」 と言ってきました。 慌てて総合病院を探し、連れていきました。  痛みを強く訴えるではなく、また意識もしっかりしていて、周りも”大げさに言ったんじゃない?”みたいな空気がありましたが、病院で検査をしたら腎臓が破裂して緊急入院でした。 幸い、手術は無く後遺症も無かったです。  現場を見ていましたが、そこまで激しくぶつかった様子は無く大丈夫そうだなと感じておりましたが、不安が当た...

安静時心拍数を下げる

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 副交感神経が優位となると身体が回復傾向であり、その兆候としては心拍数が有効であるお話は前回いたしまたした。( 副交感神経 ) 心拍数を計測する上で、安静時心拍数は自分自身で知っておきたいです。 体がゆっくりしているときの平均的な心臓拍動数です。  1分間で60回ぐらいが目安となっておりますが、持病等があるときはまた別です。 前回もお話ししましたが、心臓がゆっくりと拍動しているときは副交感神経が優位となっており、体が回復傾向という指標にもなります。 交感神経が優位、つまり活動しているときは心拍数も上がります。この変化(変動)が大きいほど身体のリズムが取れていると考えられてます。 では、どうしたら安静時の心拍数が下げられるのでしょうか。 それは ①毎日のリズムを整えて睡眠を十分にとる ②刺激物の食べ物・飲み物をさける ③肥満をさける 当たり前のことですね。 しかし重要なことです。これらを行うだけで心拍数が変化するかもしれません。 また、もう一つ方法があります。 ④有酸素運動能力を高める 低強度の運動を長く行う事で体内の酸素運搬能力が高まります。簡単に言うと心臓の筋トレです。 軽い負荷、心拍数が1分間に120〜140回ぐらいの運動を30〜60分間が目安となります。 ランニングでもサイクリングでもボート漕ぎとかでも良です。 心臓が強くなる事により、酸素の代謝能力、心拍出量も増加します。すると日常生活の動きが楽になっていきます。  また、身体を動かしても素早く心臓の働きが落ち着きます。つまり、回復が早まります。 心拍数が落ち着き、また呼吸数も減少していると副交感神経が優位になっていると考えられます。 身体が回復傾向となっている兆候です。  アスリートで安静時心拍数が安定してできるようなら更なるレベルアップを考えます。 高強度トレーニング(心拍数が180前後もしくはそれ以上)で、トレーニング:インターバルの比率は1:1もしくは1:2をおこないます。トレーニング時間の目安は個人的に2〜3分が良いかなと思います。 これを3〜5セット。 高強度のトレーニングをした後、1分後に、心拍数がしっかり落ちるようであれば、回復力が高い身体となっていると考えられます。 これは負荷が高いトレーニングなので、計画的に行い、回復もしっかり考えて行って下さい。 しかし、基本は低強度・長時間ができてから...

副交感神経

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  少し夏バテ気味です。 休みたいけど休めない。24時間戦えません。。。。 適度に休みましょー!  前回 ホメオスタシス で自律神経について少し触れました。 今回はその一つの副交感神経について書いていきます。  回復(リカバリー)についてポイントとなるのが副交感神経神経の働きです。 では、この副交感神経はどのような作用があるのでしょうか?   副交感神経 主な作用 ・血管の拡張→血圧がさがる。 ・心拍数の低下 ・筋肉の弛緩 ・胃腸の動きが活発 ・呼吸数が減少    などなど 簡単に言うと、精神的にリラックスしている時の感覚ですね。 つまり 身体を回復させようと する働きです。  身体のレベルアップにつながるトレーニング方法は多く広まっておりますが、逆にリカバリーに対する方法はあまり広まっていません。 回復していない状況でトレーニング・活動をする事は、あまり効率的ではありません。 「気持ちで乗り切る!!」 という精神論も大切ですが、長期間継続させる事は容易ではありません。 身体に負荷をかけた与えた後に、しっかりとリカバリーされると各機能は以前より向上しているケースが多くあります。 負荷への耐性が付くのですね。 よく、ドラゴンボールのキャラクターでも、瀕死の状態から回復するとレベルが上がっていました。 理にかなってます。  耐性がつくことにより、以前と同じ負荷であっても軽くこなす事ができます。 これは体力を温存させる事へとつながっていきます。 このリカバリーにおいて、ポイントとなるのが副交感神経の作用です。 この作用がしっかり働いていると、回復傾向だと予想されます。  逆に交感神経優位の時には、上記の逆の事が起こってます。 活動しやすくなる反面、疲労が溜まってきます。 体をただ休めるだけでなく、しっかり副交感神経が働いているかモニタリングすると良いです。 その指標はいくつかありますが、私は心拍数が1番手軽で分かりやすいかなと感じます。 心拍数でのモニタリングを説明すると長くなってしまいますが、簡単には変動(心拍数が多くなったり、すくなくなったり)が大きいと身体のON、OFFができている指標となっています。 副交感神経を活性化する為には ①睡眠 夜はスマホなどいじらないようにしましょう。 目から光が入ると交感神経が活性化します。 太陽のひかりと勘違いするのでしょう...

ホメオスタシス

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 夏が好きな私ですが、今年の暑さには少しやられ気味です。。。 歳のせいかもしれませんが。。。 でも、寒いよりかは良いです。  前回はリカバリーに関する事を書きました。 今回はその中で関係してくる、自動で身体を整える機能、ホメオスタシス(身体の恒常性)について簡単にまとめていきます。 ホメオスタシスとは  まとめると、 環境が変化しても体の中を一定に保つ能力のこと であります。 具体的には体温、血液成分、血液量などを自動で整えてくれて、身体の調子を良くしてくれます。  ちょうど平均台の上を歩く時に落ちないようにバランスをとって、落ちないよう歩くのに似ています。 つまり、周りの環境に応じて体内を一定に保つよう、自動で体内物質を増やしたり減らしたり、上げたり下げたりする能力があります。 環境が変化しても(気温や湿度、気圧など)生きて行くための適応です。    これはかなり繊細に作られています。 ヒトは長い年月を進化して行く中で身につけた能力です。 進化で身体の変化を調べていくと、いつも『凄いなぁ〜』って驚かせられます。  ホメオスタシス機能の一つに、体温調節があります。 気温が上がると体温もあがってしまい、タンパク質などが変化してしまう恐れがあります。 これでは身体が危険です。 そこで身体は体温上昇を防ぐために、汗をかいたり、血管を開いたりするなどをして、何とか熱を逃そうと自動で働きます。 凄いです。(しつこいですが)  このホメオスタシス機能は、主に 自律神経 で調整しております。 自律神経を聞いたことがあるかと思いますが、交感神経と副交感神経に分けられます。 これは、24時間ずっと働いている体内の管理システムです。 自律神経  このふたつの自律神経には働きが異なります。 簡単に分けると 交感神経・・・活動を促します 副交感神経・・・休息(回復)を促します  人が無意識でも外界に応じて呼吸、体温調節、など出来るのも自律神経が自動で働いているからです。 だから寝ている時でも一定に、身体を保てるのです。  この自律神経を整えるには規則正しい生活を送ることがポイントです。 何十万年もかけて生きるためにこの身体を変化させて適応させてきたのです。 文明が発達し、環境に逆らって生活出来るようになったのはここ数十年です。 この短い期間では適応のため、身体を変化させる事はできません。 ...