正しい姿勢とは


 『あなたの姿勢は悪いですね。』

『もっと骨盤を起こした方が良いですよ。』

など、良く聞く言葉です。

よく、“正しい姿勢を意識しましょう“といわれますが、『正しい姿勢』とは何を基準にして言うのでしょうか。


 私達は常に動いています。

寝ている時でさえ寝返りをしたり、呼吸をしたりして身体は動き続けています。

瞬間で姿勢が変わるので、維持するのはかなり難しいです。

『身体が傾いていますね。』と言われても、そもそも身体は前後左右きれいに対称ではありません。肝臓は右寄りにありますし。心臓もやや左に大きくなります。

利き手、足、眼もあるので活動する筋肉も一瞬で変わります。

これらを整えて、対称に動く事は難しいです。

 姿勢が悪く痛みが出るというのであれば、高齢者の方々は背中、膝などが大きく変形しています。

では歩けないか、というと実際はそうではありません。一部分痛みを感じることがあっても、自力で体を動かすことができます。


 なので自分は姿勢の評価はあまり重要視していません。

特に静止している姿勢は。

動的フォームの改善をアドバイスする事はありますが、その姿勢を維持する様な事は言いません。

 いくつかの研究で、姿勢が原因で身体に痛みが出ることは否定されています。

頚椎、骨盤、それぞれ痛みのある方、ない方をレントゲンなどで角度を測定しても、違いはほとんどありません。

他の要因が考えられています。


 痛みはもっともっと複雑です。

機械的、神経的、内分泌的、精神的など多くが関係してきてるので、姿勢が変わっただけではそれほど痛みが大きく変化するとは考えにくいです。


 痛みを改善することで大切なのは“動く“ことです。

人は長い進化の中で移動、動くことで生き延びてきました。

そのため、人の身体は様々な動きが出来るようメカニズムされています。


 関節に可動域があり、筋肉がそれに耐えうる筋力、持久力がある、そして気持ちが前向きになることが大切です。


 現代社会は動かなくてもある程度生活できるようになりました。

便利である反面、運動量が大幅に減り、いくつかの関節は不動の時間が長くなりました。

私達がケアをして一時的に動きやすさ、痛みの軽減をサポートする事はできます。

そして痛みが軽減したときは、自身でも様々な動きを日常から取り入れていきましょう!


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